レビュー・幸せになる勇気
(Amazonより)"3年ぶりに哲人を訪ねた青年が語る衝撃の告白。
それは「アドラーを捨てるべきか否か」という苦悩だった。
アドラー心理学は机上の空論だとする彼に「貴方はアドラーを誤解している」と哲人は答える。
アドラーの言う、誰もが幸せに生きるためにすべき「人生最大の選択」とは何か?貴方の人生を一変させる哲学問答、再び!"
本の題名が「幸せになる勇気」ですが、実際には、勇気の出るような明るく希望に満ちた本というより、自分の未熟な部分を見つめなおすきっかけになるような話です。
読むうちに、自分の未熟な部分を本を通してえぐり出されるような瞬間もあり、とても苦しくなる瞬間もありました。
読むうちに、自分の未熟な部分を本を通してえぐり出されるような瞬間もあり、とても苦しくなる瞬間もありました。
まるで劇薬のような本だと思いました。
けれども、今まで自分が目を背けてきた部分と向き合わされる中で、変わりたいという思いも芽生えました。
変わって、今までより少しでも幸せを感じられる人生を生きたい。
そのための勇気をくれる本だと思いました。
自分を変えたくてもなかなか変えることができない自分に葛藤を抱えることもありました。
変われない本当の理由
今、ここを生きているのは私自身、だから私はいつでも自己を決定できる存在、
新しい自分を選択できる存在
なのに、なかなか自分を変えられない、変えたいと思っても変われない。
それは、
「変化することは、「死そのもの」である」「本当は変わりたくない」からである。(p63)
自分を変えたくてもなかなか変えることができない自分に葛藤を抱えることもありました。
そんな自分が嫌いになることもありました。
けれども、自分を変えることを「死」と表現されると、
正直、変わることはとても難しいことだと感じました。
自分が変われないことを肯定された(そんなに難しいことは、相当な覚悟がないとできない、とても難しいことである)ようにも感じてしまいました。
その後の、「いくら現状に不満があるからといって、「死」を選ぶことができない、
だから人は現状を肯定するための「このままでいい」材料を探しながら生きることになる」という文章は、そんな自分の心を言い当てられているようでした。
それなら、無理してまで(自分を殺してまで)「変わる」という気持ちを持たなくてもいいのではないか?
今の自分に、新たな自分を「足して」いけば、いいのではないか?
そんなふうに思いました。
「今の自分」も大切に、そこに新たな自分を足していこう。