レビュー・年収90万円で東京ハッピーライフ 大原扁理
年収90万円で、誰よりもハッピーに暮らす方法(しかも東京で)。
堀江貴文氏、共感!
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親も先生も信用してはいけない。
就職しなくても生きていける。
終身雇用なんて期待するな。
世間の常識は疑ってかかれ。
同調圧力や空気に負けるな。
人生は一度きり。他人に自分の運命を左右されるのは御免だ。
など、僕と考え方はほとんど同じだ。
「働かざるもの食うべからず」なんて、古い。---堀江貴文
年収がたったの90万円で、あの物価の高い東京で、決して貧弱にではなく、むしろ毎日ハッピーに暮らしている…。
「そんなことができるのか!?」というのが、まずこの本と出会った時の私の感想でした。
オリラジの中田さんがおすすめしていたのをきっかけに、実際に手に取ってみたのですが、結論から言うと、この本に出会えてとても良かったです。
私はとりあえず、今すぐ現在の働き方・生き方を変えたいとは思っていないので、この本を読んでいきなり、「私も年収90万円くらいで楽しく生きられるようになろう!」とはならなかったです。
ですが、「周囲の価値観に縛られない、自分にとっての幸せ」の大切さを考えさせられる、とても良い機会を得ることができました。
この本ではまず、筆者の大原さんが現在の「隠居」生活に至るようになった経緯を、幼少期から振り返るような形で、一つずつ現在の価値観を形作ってきた体験を紐解いていきます。
そして話の後半では、実際に大原さんが、年収90万円という世間一般からしたら少ない給料で、日々どのように生活しているのか、年金や税金、将来の蓄えはいったいどうしているのかといった、より実用的な話に移っていきます。
先ほども述べたように、私は現在の働き方・生き方に多少の不満・我慢はあれど、良い面もあるため、「まあいいか」という感じで、今すぐ何かを変えるつもりはありません。
そのため、この本の後半に出てくる大原さんの実際の生活の仕方については、今すぐ参考にする、というよりも、「こんな生活の仕方もあるのか!」という、新たな価値観を得るような感覚で読み進めました。
そんな中で学んだのは、お金をかけなくても、常に自分の心に寄り添い、心のチューニングをしながら丁寧な暮らしをすることで、いくらでも快適な生活というのは手に入れること。
「幸せは自分の心が決める」という文言を時々耳にしたことがありますが、私はこれまであまり実感をもってそれを理解できたことがなかったです。
ですが大原さんの、「丁寧な暮らしをすることで、毎日を自分で生きている実感が持てる」といった話から、自分の頭で考えて、きちんと納得したうえで選んだ行動が、自分に幸せをもたらしてくれるのだと感じました。
自分が納得したうえで選んだ行動というのは、決して人生の大きな決断だけに限りません。
一日一日、そして今という一瞬をどうやって過ごしたいか、いつも自分の心に問いかけ、自分で考えて行動することが、とても大切だと学びました。
自分で考えた結果、その時間をダラダラ過ごすのだって、全然問題ないと思います。
何度も繰り返しますが、大切なのは「自分の頭で考えて、納得したうえで行動に移すこと」。
世間がこう言っているから…、なんてことに振り回されていたら、いつまでたっても「自分自身の幸せ」はつかめないのだとわかりました。
大原さんは、幼少期から貧乏な家庭で育ち、学生時代は壮絶ないじめにあったりと、若くして波乱万丈な人生を送ってきたそうです。
そんな日々の中で形成されてきたであろう、「辛いことからは逃げる」、「自分が日々平和に過ごせる居場所を見つける」といった価値観はとてもリアルで、私の心にすんなりと入って定着しました。
世間は、「逃げるのは悪」、「みんな必死に働いているのだから、お前も多少の辛さは我慢しろ!」なんて無責任な価値観をよく押し付けてきます。
ですが、そもそも世間と自分の「幸せ」の基準が、同じとは限らないのです。
お金をたくさん稼いで、贅沢な暮らしがしたい人は、ストレスにつぶされそうになりながらも、何とか働き続ければいいと思います。
そこまでお金が必要ない人は、何も正社員とか肩書とかにとらわれずに、マイペースに自分が必要な分だけ稼げばよいと思います。
何度も言いますが、大切なのは「自分で考えて、決めること」。
そしてそのためには、「自分にとっての幸せ」が一体どんなものなのか、いつも自分の心に問いかけてあげることだと思います。
今の私は、色々とやりたいことがありお金がたくさんほしいため、仕事のストレスはあれど、それを軽減させる方法を学びながら、しっかり働いていければと思っています。
そして、自分の価値観は日々変わるものなので、いつも私の心に問いかけてみて、「そこまでお金は必要ない」という価値観に変わるときが来たら、その時は大原さんのようにゆるく丁寧にのんびりとした生活を送れたらいいな、と思います。
「世間」に捉われない、私自身の心の声に従うことの大切さを教えてくれた本でした。